ありんこ帝国との闘い 2020夏の陣
記録的な長雨がありんこ帝国の兵力増強を後押し
今年はありんこがとても多い!!!
ご近所さんもそのようにおっしゃていたし、ハライチの岩井さんもラジオでそう言ってた。(ハライチのターンを毎週聞いています。岩井さんは一人で庭のあるお家に住んでいるらしい。)
長い雨で、雑草も恐ろしい勢いで伸び、その環境もありんこにとっては適しているようでありんこ帝国は粛々とその規模を拡大させていたのだった。
庭に出ると我が物顔で歩いているありんこ達。
それを苦々しく思っている者がいた。
立ち上がる我が軍(夫)
我が家の御庭番長の夫。
新居に引っ越して早々、次から次へと湧いて出るありんこに、日に日にイライラが募る。
「ありがすごいよ、そこらじゅうにいる」
「ありの巣を、埋めても埋めても復活する」
「ありが家の中に入ってきちゃうと思う」
夫は常々私にこのように訴えていた。
私は毎回こう答えた。
「ありいるんだねー」
我が陣営は非常に脆弱だった。
2名で守っている零細国家である上に、1名は外敵よりも引っ越したばかりの新居のインテリア予算と戦っていた。
夫は争いごとなどしない平和主義者だ。
しかし、完全に敵とみなした相手にはかなり残酷な一面を見せる。
旧居ではカメムシがよく出没したためその餌食となった。
我が家にはそのあたりでは売っていないカメムシ専用のスプレーがずらりと並ぶ。
ある日夫は険しい顔で、とうとうこう切り出した。
「庭のありを殲滅しようと思う。対策グッズを買ってもいい?」
「そうなんだ、いいよ。(我が家におしゃれじゃないスプレーがまた増えてしまうのか…)」
「直接殲滅するのと、毒エサを仕掛けるのと、忌避剤が必要になる。」
「へー。(おしゃれじゃなさそうなものがそんなに…!)、でも確かに家の中に入ってきたら嫌だもんね。」
夫は深く頷いた。そしてこう言い放った。
「そうだよ、こっちは固定資産税払ってるんだから!」
敵を知る!社会性昆虫の恐ろしさ
固定資産税を払わない不法侵入者であるありんこに、一歩たりとも譲歩したくない夫。熾烈な戦いが始まる。
まずは敵であるありんこのことを知らねばならない。
私も遅ばせながら、ありんこについて調査を開始し、驚愕の事実に気が遠くなった。
ありんこは大前提として、社会性昆虫である
同じく社会性昆虫である、ハチと親戚くらいな関係らしい。
その時点で怖い!
あの小ささで、集団で拠点を作って、何かを企んでいるという事実だけで怖い!
蜂は刺す、ありは噛む。
非常に暴力的ですよね。
危険な組織と断定しました。
ありんことシロアリはまったく違う進化を遂げた生き物
シロアリはゴキブリと同系統なのね。
それでありんこは、シロアリ食べるのよね?
うん、それはありがたいかな?
でも、なんか怖い!肉食ってことだよね?
草とか食べて生きていて欲しかった。
ありんこってほぼメスなんですって
女社会です。
繁殖の時だけ雄が出現してすぐお亡くなりになるそうです。
怖い!その仕組みなんなの!?
気付いちゃったの?
育てるだけなら女子だけの方が効率いいって気付いちゃったの!?
効率良すぎる組織は隙がなくて、こわい!
対ありんこ帝国、我が軍(夫)が頼り続けた武器とは?
木酢液のスプレーの上や、忌避剤の上を平然と歩くありんこたち。(なぜ?)
毒エサであるアリメツは、エサを食べたらしきありんこがヨロヨロしている姿は見るものの、大打撃を与えているようには見えない。
私自身はありんこと実戦することはなかったが、我が陣営の戦いには注目していた。
夫が苦戦している様子に心を痛め、少しばかり力になろうかな?
と、「あり」「駆除」「方法」などとありきたりなキーワードで検索をはじめる。
すると、
「ありんこには熱湯だ」
という意見を発見し、へーと興味をもつ。
「あり」「熱湯」で検索する。
知恵袋に辿り着く。
質問「ありに熱湯をかけると効果がありますか?」
答え「ほとんどの生物はタンパク質でできているので、熱には弱い。効果はあるでしょう。」
ほとんどの生物はタンパク質でできているので、熱には弱い!
たしかに!
私は深く頷き、早速夫に伝えた。
効果はテキメンだった。
グツグツに沸騰させたお湯は、どんなスプレーよりも一瞬で大量の生命を奪っていった。
「お湯すごい!!」
夫はとてもうれしそうにお湯を沸かしてはありんこやありんこの巣にかけていた。
ちなみにここまで私は一回もありんことの実戦には参加していない。
そのくせ嬉々としてありんこにお湯をかける夫を見てこう思った。
(この人と敵として出会わなくてよかった…)
2020夏の陣、結末は?
結論からお伝えしますと、決着つかず。
ありんこの総数は減った気もするけど、我が陣営も殲滅しつくせなくて戦意喪失。
ありんこ、あらゆる地上で繁栄しているだけあるなと思いました。
これって見方を変えれば我が陣営が踊らされただけともとれますよね。
ありんこにとっては人間など一時の環境変化よりも大したことのない相手なのでしょう。相手ですらないというか、ただの環境の一部?
コロナもそうですけど、虫や、細菌、ウイルスなどの小さきもの達との戦いって一番難易度が高いし、人間が完勝することはできないから、なんかすごく無力に感じる。
しかもどちらが外道かといえば間違いなく人間だしね。
そんなわけで、ありんことは、とりあえず家に入ってこないよう、増えすぎないよう、うまくやっていくしかないんだなーと思いました。
共存共栄?譲り合って楽しく生きていくのがよいですね!